第17章 合流
「1ヶ月…半、くらいか」
アルコは楕円形の鏡に写った自分の姿を見ながら、この潜水艦を離れていた1ヶ月と数週間を思った。
ミホークともちゃんと話せたし、まさかいるとは思わなかったので予定外だったけど、ゾ口とも少しは向き合えた。
その間も、口一を思い出さない日はなかった。それほどまでに口一の存在が自分の中で大きくなっていたのか。
離れていた間に気づいたのは、自分が認識していた以上に膨らんでいた行き場のない感情。
『好きだ』なんて 言ったら
応えてくれるんだろうか
離れていくんだろうか
──── いや、やっぱり言えそうにない
アルコは口一に背を向けたまま、聞こえるか聞こえないかの声で、小さく独り言をつぶやいた。返事が不要な独り言。
「………寂しかった」
「ああ」
空耳のようなそれにアルコは驚いて振り返り、ベッドの上のもぞもぞとした膨らみを開いた瞳で見つめた。
「………………」
ベッドに戻り、するりと口一の隣に滑り入った。かぶっているシーツをつまんでめくり、上から顔をのぞきこむ。
「やっぱり 言葉責め『られる』のは、イヤ」
「なんなんだ」
口一の背中でけたけたと笑うアルコ。
「部屋に、戻っていいよ」
「………気が向いたらな」
アルコはほほえみ、タトゥーのあるその背中に満足そうに身を寄せた。