第17章 合流
アルコは、知らない部屋で目を覚ました。
ホテルの部屋のような知らないベッド。知らない椅子に壁付けのテーブル。知らない鏡に窓。ベッドサイドの竪琴だけが、安心感を与えてくれた。
しかし、ここはどうやらホテルではないようだ。ホテルにしては家具類やカーテンはどこか事務的で、ホスピタリティを感じない。
ベッドの足元の方向には、大きな窓があり薄いレースのカーテンから明るい日差しがさしている。
その日差しで、ここはクライガナ島ではないことが明白だった。
身体には包帯や薬などで手当てがされていた。体を起こすと傷が引っ張られるような痛みがあり、服を引っ張って中をのぞくと、肩の傷は黒い糸で痛々しく縫合されていた。また、傷の痛みだけでなく、めまいや身体のだるさを感じた。
(熱が……あるかな)
身体を引きずり、窓辺までたどり着く。レースのカーテンを開けると、この建物は小高い丘の上にあるらしく、丘の下にはミニチュアのような街並みと海が見えた。すぐ下を覗き見ると、この部屋はコンクリート造りの建物の4,5階ほどにあるらしいことがわかった。
(ここは、アカルイデ島だ)
クライガナ島から程近い島。クライガナ島に住んでいた時から買い出しなどに来ていたので、アルコにとって馴染みの島だった。
(しかし、この建物は…?)
知り合いと言えば、しばらく一緒に演奏をしたこの島に住むバンドの彼らだけだが、そもそも自分はミホークと剣を交えていたハズだ。
彼の容赦ない稽古。
共鳴のひと振りが炸裂して ────
記憶をたぐっていると、扉がノックされ、少ししてから返事もしていないのに扉が開かれる。白いポロシャツを着た男が、窓辺にいたアルコに驚き、持っていたお盆を落としそうになる。
「す、すみません! 起きておられたんですね! もうひとつ持ってきましょうかっ?!」
四角いお盆に乗った食事を机に置き、慌てて部屋を出ていった。その背中に“MARINE”の文字とカモメのマーク。
(海軍の……??)