第16章 生命
宵闇が迫り、月明かりが輝きを増す。
部屋の明かりをつけていなかったので、外の闇の急速な変化に ついていくことができた。
衝突が激しさを増す中、衝突音に合わせてぼんやりと光っては消えているようなものがあることを察知した。
噴水広場の中央
あそこにあるのは確か ───────
「“美 薔・薇・武威打” ── Viva La Vida 」
米粒のアルコが剣をはらった瞬間、噴水広場で米粒よりも小さいが強烈なストロボが光った。
ズガンッッッツ!!!!
直後、衝撃波を受ける二人に2秒ほど遅れて、今までのものとは比べものにならないほど、窓がビリつき ────
パァン………………!!
突如、ゾロの左胸の傷が はじけた。
銃で撃たれたように包帯を突き破って血が吹き出す。
ゾロは窓に触れる。窓はうわんうわんと 柔らかくうねりのような振動している。振動を感じた指先からは、しびれるような感覚が広がった。
振動する窓は割れていないのに
いや、これは体内の傷から
内部から
この距離で ────────?
舞散る包帯の破片の中、ゾロはその痛みを噛みしめた。
おれには、あと 2年 ある。
いや、
もう あと 1年 10ヵ月しかない ────
その共鳴は
色情にとらわれていた男の顔を
そして心を元に戻した。
強敵や困難、逆境に直面した時に思わずこぼれる不敵な笑み。暗い窓に写ったゾロの顔は、その時の顔とまったく同じだった。