第15章 in the rain
シッケアール王国 跡地
ミホークの居城
食堂ホール
暖炉のある横長の部屋。
アンティーク調の木製テーブルは、10人は余裕で座れそうなほど無駄に細長い。
テーブルの先端に置かれている、背もたれが立派なワインレッドのベルベットの椅子がミホークの席だ。
彼の右隣の辺。キッチンの出入口に近い席がアルコの席だったのだが、そこを1つ空けてゾロが座った。
ペローナは反対側の先端。とても遠い距離でミホークと向かい合うように座る。
これが3人の定位置なのか。
しょうがないのでアルコはミホークの左隣、ゾロと少しずれて向かい合うように座った。
マイペースなペローナはゴーストとたわむれながら食事をしている。
ワインを手に、食事を摘まみながら近くに座っている3人は話をする。
頂上戦争のことやルフィのこと。
ゾロがここにいる経緯や修行のこと。
ルフィの話以外は、アルコはおもに聞き役だったが退屈ではなかった。ミホークと二人きりの食卓とはまったく雰囲気が違うことを驚き、それを楽しんでいた。当時と同じようにろうそくの明かりが揺らぐ陰鬱とした場所のハズなのに、ゾロの発する『陽』のエネルギーが場を中和しているのだろう。
いや、もしかしたら自分が変わったのかもしれない。あの頃は、自分が『陰』を率先して引き連れていたような気がする。
ミホークがこの場で、アルコの珀鉛病について話題にすることを避けてくれているのは明らかだった。
ミホークと遠慮なく話がしたかったが そういう訳にもいかず、ただ酒だけが進んだ。
遠慮がちな会話にしびれを切らしたのはミホークの方だった。
「例の男は」
「あぁ、来ない。
『今はまだ』って。
なんか目的達成してからじゃないとおじさまに会えないんだって…………こっちも訳わかんないよねぇ」
「フッ。
なかなか骨のありそうな ことだな」
ゾロは自分のわからない『男』の話題にピクリと反応するが、何も問わずに食事をかきこみ始める。