第13章 表と裏
「お前は。何か話せそうなことはあるか」
無理にとは言わない、と つけ加えられる。アルコはウイスキーの入ったグラスを揺らしてから口をつけた。ゆっくりとした その動きに、ゆっくりとした言葉が乗せられる。
「………私の、『呪い』があってね」
「『呪い』…病気のことか」
──── 一度は、いや何度も あきらめた
生きること
信念を持つこと
強さや高みを目指すこと
仲間を求めること
そして、愛されること
「そう…。
病気からくる『心の呪縛』、みたいな。
ローに治してもらえるってなっても、
『そっか、じゃあ、もう万事オッケー』とはいかないみたいで………どっかで あきらめが、染み着いてるんだよ」
そう言ってハートのネックレスを触る。
空っぽだったハートには、赤い珊瑚の装飾が はめこまれている。
『嘘』をついてまで
こんな身体を受け入れてくれた
本当は優しい あなたが『好き』なんだよ
でも
心まで受け入れてもらおうなんて
とても 思えない
とても 言えない
それが、私の
心(ハート)の呪縛