• テキストサイズ

RUMBLE 【OP 原作沿い長編】

第13章 表と裏




──── 口一は

アルコの演奏を聴いても
感想を言ったり
ましてや 褒めたり

しない。



セックスの時も、同じ。

ただ、身体をぶつけ合い、果てるだけ。



思っていることを言われたのは、

初めての時。

初めて『こんな身体』をさらした時。

ただ一度だけ。



『きれい ─── だ』



あの『嘘』だけ ─────





『あぁ、いいな

お前の、その顔。

たまらねェ』



その言葉は、まるで彼の『表』のような ───
いつも『裏』を持つ彼の『素直な本心』のような ───


「ぅっ…、ううっ……、っ!」


一瞬で涙が溢れた。

腕で顔を隠すが、止めようとするほど止まらない涙に嗚咽まで加わってしまう。ごまかしきれない。そう悟ると、大粒の涙はその権利を得たかのように さらに遠慮なく こぼれた。


「おい、どうした」


突然の涙に口一は戸惑い、先ほどまでの獣のような気配は瞬時に解除された。這うのをやめて、真っ直ぐにアルコを見据える。


「嫌ならしなくてもいい。そう言ったハズだ」



──── 違う

違うんだよ

嬉しいんだよ


どう言えばいいんだろう

どうすれば涙が止まるんだろう



アルコの返事は、涙に かき消された。

濡れた裸体のまま、コテージのベランダで動けなくなったふたりは、何もできずにただ困惑していた。


/ 834ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp