第13章 表と裏
濡れた身体はぬくもりを求めていた。
息も絶え絶えに、キスが繰り返される。息苦しさを先ほど海で溺れたせいにしながら、ふたりは階段を這い上がる。
ナメクジのように、板張りの床には這った水跡が残り、もはや衣類かどうかもわからないたっぷり海水を含んだぐしゃぐしゃの布があちこちに島をつくった。
結局、部屋まではたどり着けず、コテージのベランダの床板の上で口一はアルコを追い詰め、その首筋をベロリと舐めあげた。
「しょっぺェな」
アルコの顔や身体に、口一からの水滴がぽたぽたと落ちた。アルコはそれを受け入れ、首だけ起こして彼の乳首を含めた胸のタトゥーあたりにチロリと舌を這わす。
「ほんと」
アルコは自分の上半身の上で腕をクロスさせ、肩と腰に触れている。その動きは、胸の白いアザを隠すためだが、本人はほとんど無意識だった。
口一はいつもなら その腕を払いのけ、胸への愛撫を開始するところだが、それをせず両ももを持ち上げ脚を開かせた。
「!」
舌を平たくベッと出し、獣のように見つめる。
まるで淫獣に捕らえられた獲物
なすすべはない
視線を外すことも
抵抗することも