第12章 a half one
『一応、女』
ローはため息をつきつつも、キッドのその発言にひそかに同意する。
アルコは、半分は『女』
触れれば、柔らかく
味わえば、甘い
強がるが、もろい
しかしもう半分は ────
今まで知っている『女』とは少し違う部分があることに気づく。
自制的で、自律的
強くて、対等
その『女』らしくない残りの半分が、より『女』らしさを際立たせているように思った。
ローは『女』を知らない訳でも嫌いな訳でもないが、海賊として出発してからは、商売女しか知らない。
女は所詮『女』。自分に何かをもたらす存在ではないと考えていた。
海賊の中にも、女をはべらすヤツを時折見かけるが、ただの『飾り』のような女はうらやましくもなかった。
それなのに ────
オークションの時にみかけた麦わら屋のところにも、女がいた。あの女達も『飾り』ではなく、こんな感じなのかもな。
いや、過去に1人だけ、一時は仲間と呼べる関係だった女がいたか。
“ベビー 5”
アイツもどこかで まだ生きているんだろうか。
当時は『女の子』だったアイツも、『女』になったんだろうか。
まだ“あの男”のもとで、あんなことを続けているんだろうか。
もし、生きていたら
もし、二人の『女』が出会ったら ────
ローが思い出に心を奪われている最中も、アルコとキッドの言い合いは続いている。キラーとベポが仲裁をしているが、二人は顔を近づけて いがみ合っている。
その様子は、逆に仲が良さそうに見えないこともない。 それに気づいたローは、 二人とも首を切り落としてやろうかと本気で思う。
ローの殺気に気づいた全員。
「妬くな、トラファルガー」
そう冷静に言ったキラーに、今度は二人の矛先が向かう。
「おい、キラー!! どういう意味だそりゃ?! おれは この女とは別に…」
「なにそれ。ぼーっとしてないで、コイツさっさと連れて帰ってよ」
森の中には、再び男と女の喧騒が響き渡った。