第11章 プライド
= = = = = = = = = = = =
無事“心身”ともに目を覚ましたルフィ。後のことはハンコックとジンベエ、泳いで女ヶ島に上陸した“冥王”レイリーに任せ、ロー達は出港した。
= = = = = = = = = = = =
*
潜水艦 甲板
女ヶ島を出港し、船は最寄りの大きめの島“アルファ島”を目指している。
アルコはクルー達のリクエストに応えて、もう一度『ルフィの目覚めの曲』を演奏していた。
アルコは あの時のように歌いはしないが、代わりにクルー達が口々に『何か』を口ずさむ。とても歌詞とは言えない歌詞のような『何か』に、アルコは時折笑いを向けながら演奏を続ける。
もちろん、ローは歌ったりはしない。
しかし、悪くない、という満足そうな顔をして聴いていた。
戦闘などの興奮の共有が、クルーの一体感を高めることは当然だと思っていたが、このような穏やかな方法で同じような効果があるとは。
甲板の柵に身を預け、晴れた空を見ながら思考を巡らせる。
クルー達はその曲を聴いて、
自分も飛べるような
まだまだ伸びるような
前向きな気分になるという
その気持ちの高ぶりを表現するように、
あるものは、筋トレを始め
あるものは、勉強を始め
あるものは、組み手を始める
そしてローは、
ある決意を胸に抱いていた。
『王下七武海に 加入する』
その“船長命令”に、クルー達の多くは驚愕した。
そして、グランドライン後半の海“新世界”には入らず、前半の海に留まり機会を伺いつつ、行動を起こすことになる。
「『七武海』っつっても、どーするんかね」
アルコの横で逆立ち・片腕・スクワットをしながら、シャチは独り言のような問いかけをする。
「とりあえず、政府への貢献が必要だから、賞金首でも狩っていけばいいんじゃない?」
「…………」
アルコは声の届く距離に座っているローを見るが、彼は何かを考えているようで、何も答えない。
船は、ジャングルが生い茂る高温多湿の女ヶ島をずいぶん離れたのだろう。乾燥した爽やかな風が甲板を駆け抜け、秋島が近いことを感じさせた。