第8章 誘発と暴発
東都水族館の一件からは沈みがちになっていた。
その日はポアロの出勤日だった。
店内は然程忙しくもなく、夕方にはを心配して様子を見にコナンが訪れた。
自分が水族館に誘っていなければ巻き込まずに済んだのでは…と気にしていた。
カランコロンとドアベルな鳴る。
『コナン君、いらっしゃい!』
「こんにちはさん」
一見いつも通りの人当たりの良いに見える、どこか気の抜けた感じがするのは気のせいではなかった。
に視線を向けると店の外を見たまま呆けているように見えた。
すると店内のある視線にコナンが気付いく、を見つめる異様な視線だった。
普段のなら"感覚"で拾えそうなものなのに、まるで気付いていないように見える。
その視線の相手をしばらく観察していると頼んだ軽食にコーヒーを飲み終わると何事もなく会計をしポアロを後にした。
(……勘違いか?)
コナンはその相手がどうしても気になり次の日もその次の日ものシフトに合わせポアロに足を運んだ。
通いつめて二週間が経過した。
安室が出勤している時は週二のシフトだったが、ここ二週間は週五の出勤になっていた。
(やっぱり…さんがいる時にしか来ていない。そしてあの視線はそのままだ。ストーカーか?もし組織の人間だとしたら…)
安室に伝えるべきか悩むコナンだった。