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【名探偵コナン】misty【降谷零/沖矢昴】

第7章 純黒と悪夢


子供達とゴンドラに乗る灰原の目にはキュラソーが見えた。

クレーン車に乗るキュラソーにも灰原と子供達が映った。
ハンドルを握るその右手には未着色の白いイルカ。

クレーン車は観覧車の重みに耐えきれず押し潰され…爆発した。
灰原だけがキュラソーの最後を見ていた。

観覧車は動きを止めた。







降谷に腰を抱え支えながら立つ。

「なんて子だ、本当にこの巨大な観覧車を留めるとは!」
『本当に…』

赤井と共にゴンドラの上に立つコナン。

「あのクレーン車…一体誰が…」
「良くやったな、ボウヤ」

コナンは返事を濁した。



下へ戻るとコナンと灰原の元へ行く。

コゲたイルカのストラップが搬送台から落ちたのをコナンが拾うのが目に入る。

『……キュラソー?』
「遺体の損傷がひどく…」
『風見さん…』

『コナン君…』
「…クレーン車で」
『…そっか』

キュラソーに近づき掛けてある布の頬あたりに手を当て顔を近づけた。

『キュラソー…私も今のあなたの色とても好き。
子供達を守ってくれて、ありがとう…』

その場にいた誰もがその光景を見つめた。

「…さん、すみません。そろそろ…」

キュラソーから離れ灰原の手を握る。

「ボクさっき拾った物を見せてくれないか」

風見がコナンに声をかけた。
コゲたイルカをコナンから渡され風見が手に取る。

「なんですかね」
「まさか記憶媒体?」



「いや…、記憶じゃない…」
『彼女の大切な思い出よ…』


降谷の元へ行くと公安としての後処理があるために今日は帰れないと伝えられる。

「気をつけて帰ってくれ」
『…うん、零も無理しないで』

の頭をクシャっと二回撫でると仕事に戻って行った。
振り返るとコナンと灰原がを見ていた。

『二人はどうする?』
「さすがに奴らも帰っただろうし、灰原」
「私はと話したいわ」

は少し考える。

『ドライブでも行く?車…煩いけど…』
「そうね」
『三人ともボッロボロだからお店は入れないね…』
「テイクアウトしようぜ」
『そうね、お腹減ったね』


記憶のないと頭脳は大人で身体は子供なコナンと灰原、チグハグな三人。


最後に自分の好きな色になれた彼女を思った。



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