第2章 竈門炭治郎【鬼滅の刃】
着いたところは、人気のない、小さな休憩所のような場所だった。
私が長椅子に座ったのを確認して、炭治郎が喋り出す。
炭「すまない…彩夏がずっと悩んでいた事、気付いてやれなくて…」
私は首を横に振って否定する。
「いいの…私が炭治郎に直接言わなかったのが悪かったから…」
炭治郎は悲しそうに私の顔を見る。
炭「俺さ、誰かと恋仲になるの初めてで、どう接していいか分からなかった。悲しませちゃいけないと思って、敢えて彩夏には触れなかった。」
私は黙って炭治郎の話を聞く。
炭「でも、それが逆に悲しませていたんだな…ごめん…」
炭治郎の本音がようやく聞けて、私は安心感からか再び涙が零れてきた。
そんな私の涙を、炭治郎は自身の羽織で拭いてくれる。
「私、炭治郎にもっと触れたい!手、繋ぎたいし、口吸いだってしたい!それ以上の事も!」
炭治郎の手を握り締めながら伝える。
炭治郎は「俺もだ、彩夏…」と言いながら私の手を握り返す。
そして炭治郎は私の腰に手を回し、優しく抱き締めてくれた。
炭「今まで不安にさせてしまったな…
後で善逸達にお礼を言わないと…」
「うん…」
しばらく抱き合っていたが、炭治郎が不意に私の肩を掴み、
炭「く、口吸いをしてもいいだろうか!」
と緊張した様子で問いかけてくる。
私はもちろん、了承する。
炭治郎は私の顔を両手で包み、優しく口付けた。