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今宵、貴方と求め合う【短編集】

第2章 竈門炭治郎【鬼滅の刃】


炭「彩夏…?善逸…?何をしてるんだ?」

善「あ、炭治郎。今お前の事話して…」


善逸の言葉が途中で止まった。

なぜか。それは、炭治郎の顔がいつになく辛そうな顔だったから。


炭「俺じゃ、役不足だったのか…?彩夏は、善逸の方がいいのか…?」


そんな…
私が否定の言葉を紡ぐ前に、善逸が口を開いた。



善「炭治郎…お前知らなかったのか…?彩夏がこれだけ悩んで、色んな人に相談していた事…」


炭治郎は目を見開く。


炭「でも…さっき煉獄さんが、2人で仲良さげにしている所を見たって言ってたし、今も…」



「違うの!確かに誤解されたかもしれないけど!善逸には相談に乗ってもらってただけ!それ以上の事はないよ!?」

私がそう言うと、炭治郎はようやく納得したのか、安堵の表情を浮かべた。


善「炭治郎、お前なら匂いで嘘か本当か確かめられたんじゃ…」


そうだよ!鼻が良いんだから!


炭「いや…動揺してて…」


苦笑いする炭治郎。
でも良かった。誤解が解けて!



ほっとしたのもつかの間、私は善逸に抱き寄せられていた。


「善逸!?ちょっ嘘でしょ離して!」



善逸は私の言葉を無視し、炭治郎を軽く睨んだ。




善「今度彩夏ちゃんが悲しむような事があったら…覚えといてね…?」


そう一言告げて、善逸は私を離してどこかへ行ってしまった。










2人きりになった私達は、しばらくお互いを見て立ち尽くしていたが、炭治郎が口を開いた。



炭「あの…彩夏…?話があるんだ。ついてきてくれないか」


私は頷いて、歩き出した炭治郎の後を追った。
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