第4章 鈍感な君に送るもの『竈門炭治郎』
「………ってことなんです。」
宇髄さんにがっちり腕を掴まれた、約半刻後。
私は宇髄さんのお家で結構しっかり話を聞いて貰っていた。
しかも話しているうちに何故か悲しい気持ちになって涙が出そうになるのを抑える。
すると宇髄さんはなるほどなぁ、とひとつ呟いてうーんと悩みだした。
そして私に再度確認する。
「お前は今の竈門との関係を変えたいんだろ?」
「っ、はい...」
でもここまでくると、もしかしたら私に女としての魅力がないからなのかもしれない。
そう思って俯いていると...
「...いやー、あれで気づかないならお前も鈍感だな....」
「?」
宇髄さんが何かを呟く。
それが聞き取れなかったのでもう一度問い返しても宇髄さんは何でもない、と首を振った。
そしていい案が思いついたと笑う。
「いい案ってなんですか?」
「まぁ、簡単だわ。お前、これから一週間くらい毎日俺の家に来い。」
「....え?」
(いや、家?家に?なんで??)
そこで私は遠慮がちに聞く。
「あの、別に私宇髄さんとの仲を深めたいわけじゃ...」
「分かってるわ!!」
「いたっ!」
スパーンと音がして頭がじんじんと痛む。
「別に俺だってお前との仲を深めたいわけじゃないわ!俺、嫁いるから!」
「はいはい分かった、で、なんで宇髄さんの家に?」
いつもの嫁自慢が始まりそうなのでそれは抑える。
するとにやっと笑った宇髄さんがさらに顔を近づけた。
「...まぁそれは、お楽しみ、だな。」
「!!」
極限まで近い距離と顔が良い宇髄さんに心臓がばくばくと音を立てた。
すると顔を話した宇髄さんがまたにこにこと笑った。
「いやぁ、初心だねぇ」
「!!からかってたんですか!?」
「まだ気づかなかったのかよ」
「〜〜っ、酷いです!!」
「はいはい、落ち着け落ち着け。」
そんなことから、私の宇髄さん家通いは始まったのだ。