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『鬼滅の刃』夢の戯れ

第3章 見えない壁と恋心『煉獄杏寿郎』








「あぁ。あんたたちが鬼狩り?」








「「!!」」


前方から声が聞こえてぞくっと肌が震えた。

慌てて前を見ると、女の姿をした目に下弦の弐と刻まれた鬼が立っていた。

(っ、なに、この、感覚...)

鬼がそこにいるだけで空気がびりびりと揺れる。

これまでに無いほどの威圧感に刀を持つ手が戦闘を拒否するようにぶるぶると震えた。

すると師範はそんな私を隠すように私の前に立った。


「あぁ。そうだ。そして....お前の頸を切る鬼狩りだ。」


その声を聞いたその鬼はふふふっとひとつ高らかに笑った。


「へえぇぇ!!あんたらが私の頸を切るのぉ??だったらやってみなさいよ!!!」


「!!」


その声とともに不規則な形をした斬撃がこちらに飛んできた。

でもそれを師範が全て受け流す。

すると師範は私に小さく声をかけた。


「華は俺が出ていいと言うまで茂みに隠れていなさい。」

「!な、私も闘います!」

そう否定すると師範はこれまでにないほど深く私を見つめた。
そして力強い声で否定する。


「駄目だ。隠れろ。これは命令だ。」


「っ....は、い。」


聞いたこともないような声に違う意味で鳥肌が立った私はすぐに茂みへと隠れた。


そんな私を見てふっとひとつ笑うと、次の瞬間には師範は鬼の間合いの内側にいた。


「!」


その速さに鬼も驚くのが分かる。
だけどその鬼は....師範が思っていたより、もっともっと強かった。


「こんなもんなの??」


「!」


にたりと笑う鬼と今度は師範が驚いた顔をする。

そしてまた次の瞬間に、師範が必死に後ろを下がっていくのが見えた。


(っ、師範...!!)


今すぐ助けに行きたい衝動を抑えて食い入るように師範を見つめる。

(やだやだやだ、どうしてこんなに押されてるの、師範...!!)


いつもなら速攻で頸を斬るはずの師範が今回は全く頸に刃を振ろうとしない。

いや.....出来ない、に近かったのだろうか。


師範は鬼の頸に刃を振ろうとはするものの、何かを鬼が囁いた途端、すぐに間合いをとって離れる。


(どうして、どうしてっ....)



師範が押されているのが、目に見えて分かった。






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