Second reincarnation【ツイステ】
第1章 入学式
こんな男子校に、たった一人…頼れそうな人もいないと来た
ようやく自分の立場を自覚し始めて血の気が引いていく…
でもそのとき、一人の生徒に声をかけられた
「ねぇ君、新入生だよね。迷った?」
「え、あ、はい…実はそうなんです」
「それは大変だ。アズール…寮長の元まで案内してあげるからついておいでよ」
「は、はい…あっ…」
急に手を握られて、思わずしまった。という感じの声が出てしまう
その予感は的中したらしく、私の手を握った…恐らく先輩にあたる生徒の顔が驚きに変わった
真っ白な髪に真っ赤な瞳と目が合う
「…君は…」
「あ…あの……えっと…」
…これは…入学早々…人生が終わった気がする
さーっと血の気が一気に引いていく感覚が再度戻ってきたところ、今度は物陰に連れ込まれて両肩をトンっと持たれて向き直されてしまう
「…どういうことだ?ここナイトレイブンカレッジは先の入学式説明でも言っていた通り男子校だ。…言っている意味は伝わっているね?」
「分かってます!分かってるんですが…相談できる人がその…いなくて…」
「あー…まぁ初日だしそこは仕方がないが…でもこうして寮分けできているということは魔力は一応あるのか…」
顎に手を当ててぶつぶつと独り言を言い始めた目の前の先輩の一語一句に、とてもビクつく…
この先輩が話の分かる人なら、今の状況を伝えて然るべき処置を取ってもらいたい
何はともあれ部屋に連れ込まれたりとかはされなくて良かった…こんな環境じゃ、貞操の危機も危ぶまれるし…
なんてことを考えていたら、どこに隠し持っていたのか…宝石のような石がついたペンを取り出してきた
「ちょっとそこで待機しててくれ」
「は、はい」
「擬態する色(ミミクリー•ミー)」
一瞬目の前がチカチカと光ったかと思えば、体に妙な違和感が伝わった
あるはずのものが消えて、なかったはずのものが増えるような…妙な感覚
…これはまさか…