Second reincarnation【ツイステ】
第2章 迷子の迷子の新入生
二度目の深いため息を吐いて、自分の寮へと向かうことができる鏡の中に入る
この学園はかなり広大な敷地を有しているので、本校舎から各寮へ向かうには鏡を使っての瞬間移動を用いるのが基本となっている
いつものようにそのシステムを活用して鏡を潜ると、寮の廊下で式典服に身を包んだ…見知らぬ顔の生徒がおろおろと立ち尽くしていた
…迷子のようだ
「早速お仕事だねぇ副寮長様」
「それは構いませんが…その代わりフロイドを探してきてもらえます?モストロ•ラウンジの開店の手伝いをさせないといけないので」
「冗談じゃない。あんな大きな猫をラウンジまで連れて来させれるほどできた頭はしてないんでオレが迷子の面倒を見る」
「随分と嫌われていますねぇ…フロイド」
「別に嫌ってはないから!それ本人に言うなよ!どんな仕返しされるかわかったもんじゃないから!」
変な汗がブワッと出たので慌てて訂正する
双子のやばい方は本当にその異名通りで、気分の良し悪しで軽く死にかけることもあるくらいだ
他の寮生より扱いに慣れてはいるとしても、面倒ごとはできるだけ回避するに限る
というわけで迷子の面倒をみることになったから、とりあえず声をかけるか…
「ねぇ君、新入生だよね。迷った?」
「え、あ、はい…実はそうなんです」
「それは大変だ。アズール…寮長の元まで案内してあげるからついておいでよ」
「は、はい…あっ…」
…今思えばどうしてそんな行為に走ってしまったのか
オレ自身こんなスキンシップを進んでするような柄じゃ無かったはずなのに
でも今はそんなことより別のことに意識が向いた
「……あれ…?」
どんなに華奢な男でも、手を触れば以外としっかりしているものだ
同年代の生徒にリドルという名の生徒がいて、少し前に腕相撲大会とかいうわけのわからない大会に共に巻き込まれたのだが…
一見華奢な体つきの彼でも手はしっかり男そのものだった
でもこの新入生の手は…
「…君は…」
「あ…あの……えっと…」
これは、〝女の子〟の手だ