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weak person
第1章 *僕は
僕が奈津美を殴ったあの日から、一週間が経とうとしていた。
結局、僕は奈津美に謝っていない。
それどころか、マトモに話すら出来ていない。
まぁ、僕には、えみかという存在がいるから良いんだけれど。
そう思ってしまう僕は、本当に最低だと思う。
「…………はぁ…………」
思わず溜め息を吐いてしまった、そのとき。
僕の頬に、暖かい何かが触れる。
その「何か」は、まごうことなき、誰かの手だ。
「奥さんと、何かあったの……?」
そう言って、優しく微笑むえみか。
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