第2章 真っ直ぐな彼
*良樹side*
後から聞いたら俺の態度はわかりやすいくらいバレバレだったらしい……。
そんなことを思い出すのは今日が記念日だからだろうか。
あれから高校を卒業して、夏希は大学へ、俺は就職をした。
今年の春夏希も大学を卒業して社会人になった。
『ただいま〜。ごめんね、遅くなっちゃった。』
「おかえり。夏希こっちおいで。」
そう言って腕を広げる。
『ん?なぁに?』
なんの疑いもなく腕の中に入ってくる夏希。
「夏希、結婚しよ!」
『え、え、私でいいの?』
「夏希がいいの。素直に真っ直ぐ伝えたんだけど…嫌だった?」
『ず、ずるいよ〜。…嫌じゃない…。』
夏希を笑顔にしようと思ったのに、泣かせてしまった。
嬉し泣きだからいいのかな?
これからもずっと愛してる。
✧END✧