第2章 真っ直ぐな彼
*良樹side*
『よし!終わったから、帰ろ〜。』
「今日だけでもよく頑張ったじゃん!」
『良樹の教え方が上手いからだよ!』
素直に言われたらなんか、照れる…。
「そ、そんな大げさな…。す、好きな子相手だから…。」
『ん?今、なんて?好きな子相手だから?』
まずい、松山に聞かれてしまった。
まさか本人にバレるとは…。
こうなったら言うしかない。
「ず、ずっと好きだったんだ。俺、なんの取り柄もないし、松山とは釣り合わないと思って…」
その先の言葉は松山に塞がれた。
一瞬、頭がパニくる。俺、松山にキスされてる!?
『私も素直でまっすぐな良樹が好きだよ。だから、なんの取り柄もないとか言わないで。』