第1章 兄妹の絆
後日、シャンクスが出港すると聞いてルフィと共に見送りに来た。
ルフィがシャンクスと話してる間、ルーミーはベンの元へ来ていた。
「もう行っちゃうんだね」
「ああ」
「もう少し皆のこと知りたかったな」
「最初と随分違うじゃねぇか」
「私、初めて初めて自分が無力で誰かに助けられて生きていることが分かったの。だからもっと強くなりたい。自分を、大切な人を守れるように」
ルーミーは固定されている腕を撫でながら言うとベンはルーミーの頭を撫でた。
「それだけの心構えがあれば大丈夫だ。それに俺は知っている。お前が夜中にこっそり短刀で特訓してることをな」
「えぇ!知ってたの?!」
「お頭も知ってるぜ。だからお前の持っている短刀が宝石付きで高くても何も言わなかったろ」
「これ、高いんだ…」
ルーミーはギブスの中から短刀を取り出すとマジマジと見つめた。
「強くなれ」
そう言うとベンはその場から立ち去った。
「ルーミーー!」
次に来たのはシャンクスだった。機嫌よさそうに来るとルーミーを抱き上げた。
「悪かったな、女の子の腕に。痛かっただろ?」
「そのうち治るから大丈夫!」
「そうか…強くなったな」
そしてルーミーの頭に優しく触れると後頭部でパチンという音が聞こえた。
「今…なんの…」
「その髪飾りが似合う頃にまた会おう。ルフィには内緒だぞ」
ルーミーは一番眩しい笑顔で頷いた。
「うん!」
こうしてシャンクス達は旅立った。
船が見えなくなってもルフィと見送り続けていた。