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永遠の恋〜信長の寵妃【イケメン戦国】

第116章 嘘と駆け引き


その夜は結局、朝まで二人枕を並べて眠った。
朝、目覚めると既に隣に信長様の姿はなく、今朝も陽が昇る前から政務に向かわれたようだった。

(昨夜は久しぶりにお顔が見られたのに、全然お話できなかったな)

会いたい。話がしたい。触れ合いたい。深く…繋がりたい。

お忙しいから仕方がないとは分かっている。分かってはいるが、ぬくもりの消えた寝所で一人、障子越しに射し込む朝の光を感じていると、寂しい気持ちがじわじわと湧き上がるのを抑えられない。

(もっと触れて欲しかったな…なんて)

京から戻った夜以来、信長様との身体の交わりは途絶えていた。
昨夜は久しぶりにそんな雰囲気になり、少し期待してしまった自分が恥ずかしい。

(信長様は連日多忙でお疲れなんだから、そういう気分になれない時もあるよね…)

口付けだけで気持ちが昂ってしまった自分が恥ずかしくなり、昨夜のことを思い返していて、ふと信長の様子に違和感を感じたことを思い出す。

(昨夜の信長様、少し変だったような…そう言えば顔色も何となく悪かった?あれは疲れのせい?)

ほんの僅かの違和感で、何処がどうという確信もない。
けれど、何となく嫌な予感が胸の奥で静かに広がる。

信長様はいつも無理をなさる方だ。弱みを見せることを良しとせず、異変があってもそれを悟らせないように振る舞う。重大事だったとしても、周りの者に気付かせぬまま始末が着いていることも多い。

(でも、昨夜のあの様子は……)

私が胸元に触れた時、ほんの一瞬だけ、僅かに眉を寄せられた。

あれが気のせいではなかったとしたら?
どこか具合が悪くて無理をなさっていたのだとしたら?
そう思うと居ても立ってもいられず、私は急いで支度を整えると信長様の元へ向かった。

廊下を速足で進み、大広間の入り口の前で足を止める。
中から家臣達の声が聞こえてくる。何やら報告をしている最中のようで、合間に混じる信長様の声は、いつもより僅かに低く感じられた。

(咄嗟に来てしまったけど、取込み中みたい。どうしよう…後にした方がいいよね)

襖の前で引き返すべきか躊躇っていると、中から低く鋭い声が飛んで来る。

「入れ」

気付いておられたのか、と内心驚きながら静かに襖を開けると、視線が一斉にこちらへ向く。
居並ぶ家臣達の前で、信長様はいつも通り堂々と座していた。


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