第1章 出会い
教室に入ると机に突っ伏した。
にのとクラスが分かれてしまったんだ。
まぁ、幸い隣の教室なんだけど…
「さっき一緒にいたちっちゃいのとはクラス離れたんだね」
いきなり声をかけられて顔を上げると、イケメンのアップがあった。
「な、なんだよ。お前には関係ねぇよ//」
あまりの近さにドキドキしちまった。
びっくりしただけだ。うん。
「あれ?俺に惚れちゃった?」
「…そんなわけあるか!調子に乗るな!」
そういうと、イケメンを囲む女子たちに睨まれた。
なんなんだよ…にの、早くきてくれよ。さっき、来てくれるって言ったじゃないか。
でも、その後もにのは来ず、そうこうしてる間に入学式になった。
廊下に並んで、体育館に向かって歩いてたら、いきなり肩を組まれた。
もしかして、にのか!?って思ったけど、にのはこんなに筋肉質じゃない。
恐る恐る振り向くと、やっぱり奴だった。
「なんだよ。お前ここじゃないだろ」
確かこいつは俺の3つくらい後ろだったはず。
「細かいこと言うなよ。仲良くしてよ。俺、雅紀と潤とクラス別れっちまったんだよ。」
「知らねえよ。俺の他にもいるだろ。」
「智くんが良いんだよ。」
智くん?!そんなのばあちゃんにしか言われないぞ。
「あっ、雅紀と潤だ!」
どんな人かちょっと気になって、イケメンの言う方を見ると、これまたイケメンが並んでいた。
あっ、さっき一緒にいた人じゃん。隣のクラスだったんだ。
その間にもちょっと小さいイケメンが、
じゃなくて、にの!?
なんでにのがあの2人と一緒にいるんだー?
俺のこと忘れちまったのかよー。
「にのー」
俺が呼んだら、すごい勢いで走ってきて飛びついてきた。
「どしたの?にの。それより助けてよ。」
そう言って、横を向くとあいつはもういなくて、雅紀と潤って人のところに行っていた。