第3章 This Story Has Already Begun
「……大丈夫か?」
「う、うーん、茶渡くん?大丈夫か大丈夫じゃないかで言ったら大丈夫じゃないかな」
「ム……」
ニヤニヤと笑うのを止めなかった綴は一護に揺さぶられ過ぎてダウンしていた。それを介抱する全員は上からかかる重低音の声に顔を上げた。
「チャド!ケガ……してるな?どうしたんだ?」
朝から居なかった彼の体の節々には絆創膏や包帯等の傷を手当てした後が散見される。ここにいる面子はルキアを除き茶渡が丈夫な事を知っているが、その痛々しい姿に流石に心配の声を上げた。
「……頭のは昨日、鉄骨が上から落ちてきて」
「「「「「てっ、鉄骨!?」」」」」
「手とかのはさっきパン買いに出た時に……オートバイと正面衝突した」
「何してんだテメーは!?」
不幸の言葉で片付けられないほどの災難が茶渡に降り掛かっていて全員が絶句する。
「で……バイクの人が重症だったから病院までおぶって行ってた……」
「そ、それで遅かったのか」
「ていうか相変わらずなんつーカラダしてんだよ」
頑丈過ぎるボディに皆は驚きや呆れを越え、少し引いていた。
「お?何だその鳥?」
茶渡は何かをガシャと地面に置いて床に座る。何かに各々が目をやればそれは綺麗な白色の羽根の生えたインコの入った鳥籠だった。
「コンニチハ!ボクノ ナマエハ シバタ ユウイチ! オニイチャン ノ ナマエハ?」
そのインコはとても堪能に喋り出す。浅野が返事をするとその名前を復唱することから流暢に喋るだけでなく、大変頭が良いことが伺えた。
「チャド、あのインコはどこで?」
「……昨日…………貰った」
「コラァ!!オマエ今途中メンドいからハショッただろ!!悪いクセだ!ちゃんと言えちゃんと!」
「ハ……ハショッ……てない!」
「いーやハショッたね!」
一護や浅野、茶渡のやり取りを見ていた綴であったが、一護とルキアが真面目な顔をして話す姿を見て自然にインコに目を逸らしていった。
浅野や小島が楽しそうにインコを囲んでいる様子を眺める。
____今はまだ、何も気づいてはいけないのだ。