第3章 This Story Has Already Begun
授業が終わり今日は2人で帰路についた。
いつも静かであるクロサキ医院は何故かとても慌ただしくなっていた。バタバタと駆け回る音が聞こえてくる。
「どいてどいて2人とも!」
「どうした遊子?何あわてて「はいよォジャマジャマ!!」な……何の騒ぎだこりゃ!?」
「事故!!ソコの十字路で交通事故があったの!!」
「大変!!手伝わなきゃ」
夏梨がストレッチャーと共に突っ込んでくるのを紙一重で2人は避けた。切迫した状況に綴は急いで着替える為に階段を駆け上がる。制服を床に散らばせながら1分もかけずに着替え下に降りていくと数時間前に会った顔が目に入った。
「茶渡くんっ!?」
シャツが血塗れになり一心が肩を貸してやっと立っていられるくらい重症な彼の手にはインコの鳥籠が握られており綴は慌てて奪い取る。
「うわ、すごいキズ……」
「ひっでーなこりゃ。ヤケドみたいになってるぞ。しかも全体から血が吹き出してやがる。こりゃしばらく大人しく……」
一心が傷を見ていたにも関わらず茶渡がスッと立ち上がった。
「いえ……大丈夫ス……」
フラフラと歩き出す彼を誰も大丈夫だと思う者はおらず綴はバシっと肩を音が鳴るほど強く叩く。
「大丈夫じゃない!!いいから寝て!!遊子ちゃん夏梨ちゃんベッド!!」
「……!イテッ!!」
「はーい!夏梨ちゃん行こ!!」
「……ああ」
眉を上げて怒る彼女に圧倒された茶渡は渋々といった表情で遊子と夏梨に連れられベッドへと向かっていった。