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第二補佐官は第1補佐官の嫁です【鬼灯の冷徹】

第14章 地獄アイドルピーチ・マキ


夜叉一「今日は大事な日なんだ!さっき妻が産気付いたって連絡が…!」

貴方「わぁ、ついに産まれるんですね!夜叉一くんとクッキーちゃんの子!」

鬼灯「……ヤシャッキー。」

夜叉一「そんなタイムボカンにいそうな名前は付けないぜ!!」

その間にもマキの猛追は続いていた

瓜美のお陰で難を逃れた夜叉一が諫めるも聞く耳もたない様子は、列車内でも覗かせた万引き犯という存在への強い恨みを感じさせる

そこへゆっくりと近付いていく鬼灯

その背中には未だ鎮まらない静かな怒りを滲ませていた

鬼灯「縛り方が甘い!」

マキ「わぁ何故かすごい上手!在庫梱包のなせる技?」

貴方「拷問業務のなせる技ですね」

手際よく万引き犯を縛り上げた鬼灯と、感嘆の声をあげるマキ

未だ認識がすれ違う二人に瓜美が苦笑していると、騒ぎを聞き付けた野次馬がどんどん集まってきた

中にはマキに気付いて興奮したように声を上げる者もいる

そんな中、人垣を掻き分けて見覚えのある人物が顔を出した

「よっしゃ今日のわっちはついてるぜェ!お嬢さん、こっち向いて……って何でぇ、マキかよ」

マキ「げぇ、小判!」

どうやらマキもこのゲスパパラッチと知り合いだったらしい

小判はガッカリした様子で溜め息を吐くも、折角のネタを無駄にせぬようカメラを構えなおした

小判「まぁいいや。一枚撮らせろィ。」

マキ「嫌よ、あんたのスクープになるのは!」

小判「そう言うなって。こちとら最近、老婆の全裸で記事も胃も荒れてよォ。あの冷血な閻魔の犬共が…」

ガッ

小判が閻魔大王の名を口にした途端、その小さな体は凄い勢いで宙へと吊り上げられる

目の前には凄味を増した黒衣の鬼神がいた

鬼灯「閻魔の犬共が?」

貴方「どうぞ、続きを聞かせてください」

小判「……太田胃散ください…」

マキ「閻魔……の?」

吐血して意識を朦朧とさせる小判

その怯え様を見て、マキはそれまで自分が妄想の限りをぶつけていた夫婦が何者なのか初めて気付いたのだった
──後日
《閻魔大王の二人の補佐官の名前は?》

マキ「瓜美様......と鬼灯様......」

《おっマキちゃん初の正解!》
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