第29章 プライドの男
鬼灯・貴方「ああ…サタン王の側近の……」
ポンッと手を打って思い出した
鬼灯「…ということは先日いらしたレディ・リリスの旦那様」
ベルゼブブ「お…おおそうだっ…!お前、俺の嫁に何か変なことしなかっただろうな!?」
鬼灯「とんでもない」
手を振り否定する
鬼灯「私は指一本触れていませんよ。奥方がやけに腕を掴んできたんです。まァ別に嫌でもなかったので好きにさせておきましたけど……(瓜美が良かったですけどね)」
ベルゼブブ「そこは嘘でも拒否したって言えよこの正直ムッツリ野郎!!」
鬼灯「私は瓜美がいますので人妻と不貞行為を働く気はありません。なので、別の男を紹介しておきました」
ベルゼブブ「旦那目の前にして何堂々と間男仲介したことを事務的に報告してんの!?」
鬼灯「あくまでレディ・リリスの本分を尊重したまでです」
踵を返す
ベルゼブブ(くそ~……コイツらと話してるといつの間にかアイツらが上で俺が下の身分に思えてくる。これが嫌なんだ!何か一つでも「勝った」と思える結果が欲しい!) …なあ……」
鬼灯と瓜美を引き留める
鬼灯・貴方「はい?」
ベルゼブブ「サタン様の話はまだまだ続く……正直暇なんだ」
貴方「おや、では図書室か食堂でも……」
ベルゼブブ「イヤ、体を動かしたいんだ」
鬼灯「あ、拷問します?」
ベルゼブブ「スポーツだよわかれよ!」
─
ベルゼブブ「ほ~~運動場にジムもあるのか」
鬼灯「倶生神等座りっ放しの者もいますので」
倶生神とは
人の善悪の全てを記すという仕事をしている神
地獄の記録係
ベルゼブブ「おっ。テニス!お前アレできるか?」
鬼灯「…一応やったことは……」
ベルゼブブ(よっしゃアレなら勝てる!)
貴方「じゃ始めますよー」ピッ
スパァン
瓜美が笛を鳴らして始まったが、鬼灯の投げたボールが物凄い速さでベルゼブブの顔に当たった
鬼灯「じゃ行きますよー」
ボールを上に投げる
ベルゼブブ「ぉぶっ」
豪速球がベルゼブブの顔面に炸裂した
鬼灯「アレ?」
ベルゼブブ「………………!!」
鬼灯「すみません別のにしましょう」
ベルゼブブ「………お…………おお…」
鼻血が止まらない鼻を押さえながら返事をする
その後も
フリースロー、ゴルフ、PK、卓球と続けるが全ての球がベルゼブブの顔面に叩きつけられた