one piece of my Dream [ワンピース]
第10章 貴方の声が
更に夜も更け、辺りが静かになる。
寝ているわけではないが、誰かが口を開くこともない。
ただ、静かに波の音が響くだけだった。
キヨが持つ刃が僕の腕をかすめる。
鮮やかに流れた赤い血をキヨが舌で舐め取り喉を通す。
「次はしんの番だ」
渡されたナイフでキヨの腕に軽く触れさせると、
真っ赤な血が流れた。
その血を見てまた少し鼓動が早くなる。
ほら。
と、舐めるように指示されゆっくりと唇を近づける。
少し甘い血が喉を通ってゆく。