one piece of my Dream [ワンピース]
第10章 貴方の声が
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隠された布を取り除いたその下には、
会いたくて、逢いたくて、
あいたくて仕方のなかった、貴方の顔が。
優しく微笑まれ、
夢に見た腕の中に包まれる。
本物かなんて、考えなくても体が反応する。
顔が声が心が、
全てが、この人だ。
と、騒ぐのだ。
「キヨ」
発した言葉は自分でも驚くほど弱々しく、
もう、離れたくないとすがりつくようだった。
「………会いたかった」
胸元に顔をうずめ、すっと呼吸をすると、
大好きな貴方の香りがした。
「もうすぐ、会えるって言っただろ?」
僕の頭をつかみ、ガシガシと撫でる。
「……なんで??」
キヨの言葉に疑問を抱く。
「迎えに来たんだ。
もうすぐ、目覚める」
僕の顎を引き、そっとキスを落とす。
「どういうこと?」
意味がわからず、押し返すが、
「元の世界に帰るんだよ」
強く固定され、身動きが取れない。
何度も角度を変えて味わられたキスは、
ひどく懐かしい。
「ほら、お別れの挨拶だ」
ゆっくりと抱えられ、今までいたはずの海兵が一人も居なくなったことに驚く。
ルフィ達の集まる前に降ろされ、
背中を押される。