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one piece of my Dream [ワンピース]

第10章 貴方の声が



背後から強い殺気を感じ、

刀を引き抜いた。

ギリギリで食い止めた刃は、

隙を見せる事なく、次の攻撃に移る。

それを交わし、僕が相手を斬りつけようとするが、

軽くかわされる。

「……くっ……」

強い。

悔しいがそう感じた。

ただ一つ気になるのは、

キヨと同じモノを感じる。

いるはずのない人の影を、

目の前の顔を隠した男が身にまとい、

僕の心を揺るがせる。

不意に覗いた男の瞳に、

僕の動きが止まった。

その瞬間、右腕を刃がかった。

後ろへ飛び退き、ジワジワと痛むところを見ると、

今まで流れるはずのなかった血が流れていた。

「…なんで…?…」

流れる血にあの日のことを思い出す。

体中の血が熱くなって、何も考えられない。

ただ目の前の敵を倒すことだけ。

僕とは正反対に相手の気が下がる。

殺気も無くなり、戦う気も失せたようだ。

だからといって今更押されきれるはずのない感情は、

男めがけて襲い掛かる。

何度となく交わされる攻撃も、

仕掛けてくる技も、

僕の気に触るものばかりで、

「…なんで……」

……僕の嫌いなところがわかるんだろうか?

相手は楽しそうに笑っている。

…気がした。

顔すら見えない相手の笑顔が見えてる気が、したんだ。


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