one piece of my Dream [ワンピース]
第10章 貴方の声が
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お昼になり、やっと帰ってきたゾロは、
知らない香りを身にまとい、
僕の横を何もなかったかのように通り過ぎる。
それでも何も言えない僕は、
後ろめたいことがあるからだ。
ルフィの提案で、島の中心部にある森林に探検に行くことになった。
今まで一度も持つことのなかった、『青龍』をもち、
ショートパンツの長袖つなぎにワークブーツという、動きやすい服装に着替え、
青龍を肩からかける。
「あら、しん。
その刀持っていくの?」
めずらしい。と、ナミが言った。
「……ないよりは、マシかなって。
それより、ナミ、森の中に入るのにそんな格好で行くの?」
タンクトップにミニスカート。
高いヒールをはいたナミは、まぁ、いつもどおりの格好だ。
「サンジ!!海賊弁当!!」
ルフィの言葉に僕の心が躍る。
「海賊弁当?!僕、ずっと食べたかったんだ!!」
反応する僕が珍しいのかみんなが驚く。
「しんちゃん、顔がキラキラしてますねぇ。
ヨホホホホホ」
「ウマいんだぞぉ、俺も大好きだ」
ブルックとチョッパーが言ったと同時に、
サンジがキッチンから出てきた。
「おら、海賊弁当!!」
両手いっぱいの弁当を持ち、
それを持って僕たちは、探検へと出発した。