第2章 2話
和也「先輩大丈夫?疲れて幻覚でも見てんじゃない?
今日は早く寝なよ?」
と帰ろうとする二宮くんを呼び止めた。
翔「待って!俺を家まで送って?」
和也「怖気付いた?」
翔「ちげぇ!確認したいだけ...。」
と俺と雅紀さんは後部座席に座った。
雅紀さんはわざとらしく手を振ってみせた。
翔「雅紀さんが今手を振ってるよ。バックミラーから見えない?」
二宮くんは右手で運転しながら左手で器用にバックミラーを調節した。
和也「......。」
翔「どう?見えた?」
和也「いーや。先輩しかいない。」
翔「そんな....。」
やっぱり俺にしか見えてない?
雅紀「同僚の子?」
翔「うん、会社の後輩です。二宮和也って言います。」
雅紀「ふーん...。翔ちゃんが先輩なのに敬語がなってないな。」
翔「あははは...俺には何故かタメ口なんです。」
翔「理不尽だな、それ。もしかして翔ちゃんに気があるのかもよ?」
翔「まさか....そんな訳....。」
和也「本当にいるんだね、その雅紀さんって人....。
先輩が独り言喋ってるみたいで不気味なんだけど。」
翔「ごめん....。」
和也「ほら、着いたよ。」
とマンションの前まで停めてくれた。二宮くんが俺のマンションを知っている理由...それは定時で帰れる時はよく送って貰っているから。
翔「二宮くん、ありがとう。」
和也「今度からは雅紀さんに鈴でも付けてやれよ。何処にいるか分かるからさ。」
翔「そんなの嫌だよ。誰もいないのに鈴が鳴ってたらもっと不気味じゃないか!」
和也「それもそっか。呪われるなよ。じゃっ!」
と去って言った。
雅紀「翔ちゃんの後輩がいい子で安心したよ。」
翔「そう?」
雅紀「うん。」
翔「そういえば....初めて会った時から俺のこと名前で呼んでますよね?もしかして、知り合いだったりします?」
とエレベーターで6階に向かいながら気になっていたことを聞いてみた。
雅紀「うん、俺と翔ちゃんは幼馴染だよ。」
翔「幼馴染...。」
雅紀「相葉雅紀で何か思い出さない?」
翔「相葉....雅紀...。」
と考え込んでいたらチンと6階に着いた。
戻ったらアルバムでも漁ってみようと思った。