第114章 *閑話カームデイ15 〜騎士’s~* 注:裏表現
その意味を理解した瞬間、パアァッと目を輝かせる。恥ずかしがり屋の彼が甘やかしてくれることが嬉しく、口元を緩ませながら改めて大きく腕を広げた
『セベク。ぎゅーってして』
セベク『〜〜〜っ、分かった』
恐る恐る距離を詰め優しく抱きしめると、すぐに背中に手が回され胸にぴたりと耳が押し付けられる。ドキドキと高鳴る鼓動が伝わるのではとむず痒さを感じながらも、静かに黒髪に頬を寄せた
セベク『(..小さい、そして細い。レイラは見た目通りの、弱く脆く儚く..そして強い奴だ。こんな体で僕たちを守るために1人で闇の穢れを背負った。
魔力は汚染され、一歩間違えれば命の危険が..)』
その瞬間、あの日味わった寒気と絶望が一気に蘇る。呼吸も上手く出来ず固まることしかできなかったあの言いようもない"死の時間"。そして今こうして腕に抱いている愛しい存在が失われる恐怖に、腕の力が無意識に強まる
セベク『(あのような事は二度と味わってたまるものか。そしてレイラのことも、今度は必ず僕が守ってみせる。若様から賜った騎士の名に恥じぬように!)』
『んふふ、あったかい...んきゅっ!』
セベク『レイラ..』
『ぅぅ..どしたの?』
突然強く抱き込まれ潰れた声をあげながら尋ねると、セベクは大きく息を吐いて上から顔を覗き込む。見上げてくる愛しい存在に自然と目尻が柔らかくなり、その瞳には熱が小さく揺れている
玄関でシルバーが泣き崩れるようにレイラを抱きしめた時は、嫉妬の炎を上げながらも大袈裟なやつだとも思っていた。けれど、いざその身を抱きしめると、改めてレイラが自分にとって心から愛する相手だと実感し、失う恐怖から守らなければならないと強く己に言い聞かせた
セベク『(今ならばシルバーの気持ちがよく分かる..)
レイラ。僕は..』
『ん』
セベク『僕は、お前を.....』
『ん』
セベク『あ、あい..し..いや、す、す...ええい違う!その、だ、え、あ、す...』
『(お顔真っ赤で可愛い)』
セベク『え、あ、だ....
抱きたい』