第110章 *終曲ディアソムニア*
『ぅぅっ..リィ、さん..っ』
リリア『よしよし良い子じゃ。
レイラ、改めて礼を言わせてくれ。シルバーたちと共に旅をして、皆を救い、マレウスを止めてくれて本当にありがとう』
『ぐすっ、私...ぅぅっ、なにもしてない』
リリア『何を言うとる。シルバーから聞いたぞ。あの時、迫りくるマレウスの牙から危機一髪で助けてくれたと。そして旅の中では何度も皆を心を癒やし、導き、厳しい戦いを共に駆け抜けてくれたそうじゃな。夢の中の近衛兵たちも、おぬしには常々癒やされていると言っておった』
あやすように背中を叩く手が次第にゆっくりと擦り始める。首筋に顔を寄せると、仄かに香る黒兎の匂いが鼻孔をくすぐり幸福感が高まり、体の熱がほんのりと上昇する
リリア『それに、必要のない業まで背負ってまで、我ら妖精のために激しく憤り、卵だったマレウスを狙う輩からわしを守ってくれた。おぬしの優しさと強さに、わしらは何度も救われたんじゃ。
本当に感謝してもしきれんな。優しく強く、尊い愛しい子よ』
『...でも、私よりもみんなの方がたくさん頑張ってた』
リリア『勿論、他の者たちの活躍もあったことは知っておるよ。それでもわしはまず"おぬし"に感謝をしたい。なんでもあやつら曰く、貢献した自覚が無いらしいからのう』
『.....』
リリア『わしがこんなに言うんじゃから自信を持て』
まあすぐには無理かもしれんが、と苦笑いで撫でていると肩口に埋まった顔が上がり、涙に濡れた瞳がリリアを映す。また1つ零れ落ちそうな雫を抱える目尻に口づけ、しょっぱいなと笑う
『..リィさん』
リリア『ん?』
『たくさん助けてくれてありがとう。守ってくれて、優しくしてくれて嬉しかった。すごく苦しくてつらいことばっかりだったけど、リィさんが..みんながいてくれたから、最後まで一緒に戦えた』
だから、ありがとう。もう一度礼を言って強く抱きつく。互いの体温を分け合うようにびったりとくっついた体からは少し早い鼓動が鳴っていた
リリア『(ああ..離したくないな..)』