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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第34章 恋情記 前編




それは、可愛らしく微笑んで挨拶してきた


『私はヴィオラ
これからよろしくね!』


名前を、ヴィオラと言った



あまりにも綺麗な立ち居振る舞いに、シリウスは言葉が出なかった


同じ1年生がザワザワと騒いで彼女に話しかける中、シリウスはまるで、ヴィオラ以外がスローモーションで動いて見えているようだった




そして、第一声が









「ブッサイクなババアだな」





……………………………………………。





『ひ、酷くない!?出会って早々ババアって言われるのはさすがに酷いよ!
確かに君達からしたら何年も何年もここをうろつき回ってる年寄りに見えるんだろうけどさ!
一応私は17で死んでるからね!!』

「俺達からしたらババアだよ!
大体なんだ!その姿は!」

『?』

「ゴーストのくせになんで透けてないんだよ!
お前絶対生きてるだろ!」

『坊や、透けてないからって決めつけちゃダメよ
もし生きてたらこうやって飛べないもん
それにゴーストもゴーストなりに精一杯生きて……いや、死んで?』

「どっちでもいい!」

『んもう…
じゃあ、君は誰?貴方の名前は?』

「………シリウス・ブラック」

『あぁ、ブラック家の子供か
珍しいね、グリフィンドールに来るなんて』

「だから?俺はグリフィンドールに来ちゃいけないとでも言うのか?」

『あはは、そんなこと言わないよ
心から歓迎するよ、シリウス・ブラック君』



それからヴィオラは浮上する

蝶のようにヒラヒラと飛んで




『えい』




ドーン!!



「「うぉぉ!!」」


まるで子供心をくすぐるような魔法を出した

炎が鳥をかたどって空を飛んだり、食べ物を浮かせたり
花火を散らして、歓迎を露わにしていた


















『グリフィンドールへようこそ
これから7年間、よろしくねシリウス』


その優しい微笑みが見ていられなくて


「っ……ふん」


真っ直ぐに見つめられたのは初めてだったから、すごくむず痒がった



心のどこかがザワザワした














これが、私とあいつの、出会いだった



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