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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第32章 アズカバンの囚人




遠くにシリウスの姿が見える


彼はアニマージを解いて、人間になってうずくまっているようだった

「やめてくれ……頼む」

何やら懇願するように言っている
その姿は怖がっているようにも見えた



「!」

空を見る


「ディメンターが………」

ハーマイオニーが呟いた


空には、ディメンターが黒い塊となっているのが見えた
そしてそのままこちらへと向かってくるのも

「駄目!このままじゃシリウスがっ!」
「っ!」



ハリーが駆け出して行く

迫ってくるディメンターを片っ端から追い払っていく


『エクスペクトパトローナム!(守護霊よ、来たれ)』


ブワッ!


守護霊は霧のような姿になってディメンターを追い払っていく
だが無意味だ
これは成功していない
それに、こんなに沢山いてはいっせいに追い払えない


「ハーマイオニー!?」

隣を見ると、ハーマイオニーが気絶していた
そばにはディメンターもいる

(なんで?ここではハーマイオニーが襲われる描写なんて…)




『エクスペクトパトローナム!』


ブワッ!



「っ」


やはり成功しない
汽車の時は出来たのに、今になって成功しない

だが、ハーマイオニーはこれで大丈夫そうだった

その内にシリウス達の方へと行く




「シリウス!シリウス!!」
「………」

ハリーが何やら叫んでいる
シリウスを見て、泣きながら叫んでいる


「ハリー?」
「シリウス!駄目だ!目を開けて!」












信じられないものを目にした
















シリウスが浮いていたのだ








「………え?」

(どうなってるの?それになんで………)





ディメンターがシリウスを囲んでいる?






ふわり




シリウスはそのまま浮いて、体を変えていく

黒い霧に包まれるかのように
次の瞬間、目にしたのはまるでディメンターのような姿になったシリウスだった





「……なんで…………」

なんでシリウスがディメンターになっている?



「駄目よ………駄目、シリウス!行っては駄目!」

制止の声も虚しく、シリウスは吸魂鬼となって浮上していく



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