• テキストサイズ

銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第32章 アズカバンの囚人




(あ!)

ひとつ忘れていた


「ペティグリューは!?」

ヴィオラの一声により、皆が「はっ!」となる

辺りを見渡すが、ペティグリューらしき姿は見当たらない
まさか………


「………………逃げた?」


アニマージしてこの隙に逃げたか

(あぁ、くそっ)


これで原作通りになってしまった
希望を言えばシリウスの無実を証明したかったのだが、おそらくもう無理だろう
アニマージしたのならネズミになって逃げたはず
ネズミ1匹をこの広大なホグワーツで探すなんて不可能だ




「キャイン!キャイン!」

屋敷からはシリウスの声がする
これは痛がっているような声だ


ガタン!

「あっ!」

ルーピン先生が出てきた

彼は完全に狼へと成り果てている
こちらを見て、襲いかかってこようとする




「グォン!!」
「っ」

飛びかかってこようとした時

「ゥワン!!」
「ッシリウス!」

シリウスが盾になって代わりに、引っかかれてしまった



「グルル……」
「グゥ…」

お互いに威嚇し合っている

毛を逆立てて、「近づくな」と言っているよう




スネイプが足を引きずりながら、こちらに話しかけて来る

「マリエレンダ、ウィーズリーを手伝え
この隙に城へと戻るぞ」
「っでも」
「いい加減にしろ小娘!この状況で何が出来ると思う?!」
「ッ」


スネイプの言う通りだ

こんな状況じゃ自分に出来ることなんてない



でも

シリウスをディメンターから守らなければ


「ガウッ!」
「ウワン!!」
「「!」」


シリウス達を見ると、森の方へと走っていくようだった
狼となったルーピン先生をシリウスが追っていく

(まずい、そっちには吸魂鬼がっ!)





たまらなくなり、駆け出していく

「ッ戻って来い!ポッター!マリエレンダ!」

スネイプの声が聞こえるが、振り返らない
振り返ればシリウス達を追いかけられなくなる



「2人ともこっち!」

ハーマイオニーの声により、湖へと駆け寄る


(ここ…)


何もかもが原作通りだ
ここでシリウスとハリーがディメンターに襲われて、魂を取られかけて




/ 428ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp