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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第32章 アズカバンの囚人




声の主と若いシリウスは何やら火花を飛ばしている
目を合わせながら、バチバチッ!!と激しく目で争っている

そして若いルーピン先生は、そんな2人をなだめていた



『ペトリフィカス・トタルス!(石になれ)』




フワリ


『あはは、ちゃんと当ててご覧よ〜』
『チッ!飛ぶなんざ卑怯だぞ!』
『知りません〜、ゴーストの特権です〜』
『ババア!』
『野良犬め!』
『はぁ………』


またまた言い合っている
だけど、どこか楽しそうだった


声は飛んでいるようだった
視点が浮遊し、シリウスとルーピン先生を見下ろしていたのだ


悠々と空を飛び、たくさんの景色を見ていく

ホグワーツの綺麗な光景










声が聞こえる

話しているのではなく、心で想っている声

















もっと遠く




もっと高く











いつか、あなたのそばに行けたなら










そしたら



また、一緒に過ごせるかな

















(なんだろう、私は知ってる
見た事がある
私は「これ」を何度も繰り返してきた)








目の前に人が現れる





ピンクブラウンの髪が、なびくのが見える

耳元には、一輪の花があった





綺麗な、銀色のビオラの花











彼女は何かを語りかけてきている


『……を……して?』


(え?)



































「ヴィオラ!」
「ッ!」



目が覚める

目の前には、心配そうに顔を覗くハーマイオニーがいた



「…………………あれ?」

見渡すと普通の光景
なんてことはない、普通の叫びの屋敷のまま


「あれ?じゃないわよ!
突然眠り出したかと思えばいくら呼びかけても目覚めないし!!」
「………………スミマセン」
「はぁ………
いい?今度ちょっとでも心配かけてごらんなさい?
その顔をおできだらけにして、医務室で散々いびり倒してやるからね!!」
「ッハイ!!」


(怖い!怖すぎる!!)

ハーマイオニーはマクゴナガルと肩を並べられるであろう形相でヴィオラを叱りつける



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