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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第32章 アズカバンの囚人



「すまない、ネズミを狙ったんだがな……
いつもの私は大人しい犬なんだ
ジェームズが言ってたよ、君はずっと犬でいたらどうだってネ」

ロンとシリウスが話している

シリウスは脱獄できたのと、やっとペティグリューを捕まえられた喜びからか、いつになく楽しそうだった

今はハリーと話している





その隙に、スネイプの容態を見る

彼は未だ、スヤスヤと眠っていた
正直、寝ている顔はいつもと違って優しい。




「…………」

加減はしたつもりだ

気絶する程度に調整した
調整したのだが、自信はない

だからちょっとヒヤヒヤしている



「スネイプなんかほっとけよ
そのままなら全校生徒の宿願が果たされるぜ?」

ロンが言ってくる

確かにそうだ
それは皆が心から願っていること

「どうかスネイプに罰を与えてください」と

だがしかし


「…………………アズカバン行きたくない」


それが本音だ












「ヴィオラ」
「?」

シリウスが話しかけて来た


(あれ?ハリーと話してたんじゃ…)


「世話になったな
君のおかげで生き延びられた
久しぶりの肉の味は美味いものだったよ」
「あはは、それは良かった」
「礼を言う、ありがとう」
「別にいいのに」
「私が良くないんだ
礼は素直に受け取るものだぞ?」
「分かった」

友達みたいに笑い合う

まるでずっと前からこんな関係だったみたいで、どこかくすぐったかった



シリウスが少し気まずそうに言う

「それで提案なんだが…
良かったら、夏休みに私の所に遊びに来ないか?」
「え?」
「あぁ、私の家じゃなくても良いんだ
別に海でも山でも……その……参ったな」
「???」


何やらブツブツ言っている

小声で喋っているのでよく聞こえない


すると、ルーピン先生がそんなシリウスに助け舟を出した
またもや彼も小声で話しかける

「パッドフット、勇気を出せよ」
「仕方ないだろう?
なんせ12年もアズカバンにいたんだ、口説き方なんざ忘れた」
「君が昔彼女に話しかけてたみたいに言えば良いんだよ
まあ、抜けがけはさせないがね」
「そういうとこだぞムーニー」
「?????」





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