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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第32章 アズカバンの囚人



「セブルス、私の話を…」
「アズカバン行きの囚人がまた1人増えたな
ダンブルドアはどう思うか…」
「愚かな
セブルス、君は学生時代の恨みで、無実の者をアズカバンに送るというのか?」
「我輩にとっては長年にわたる願いを叶えることが出来る絶好の機会だ」


パシッ!




「くっ…」

その途端、スネイプが魔法でルーピン先生を縛り上げた
腕も足も拘束されたルーピン先生は、上手く立てずによろめいてしまう

それを見ていたシリウスは黙っていられなくなった
声を張り上げて、スネイプに襲いかかる


しかし




「やめて!」


ピタッ

「!」
「やれるものならやってみろ
お前が我輩を襲うのなら我輩にもお前を襲う口実が出来る
返り討ちにしてやろう、醜い野良犬め」

たまらなくなって、そう叫んでしまった
だがスネイプは元から彼を傷付けるつもりはなかったらしい

叫ぶ寸前か否かで杖をとめ、シリウスに向ける

杖などの攻撃手段がないシリウスは身動き出来ない
犬になろうとしても、そのタイムラグをスネイプは許してくれないだろう





「「………………」」

スネイプやシリウス達の雰囲気に、誰も口を出すことが出来ない
ハリーもロンも、固まって話すことさえ出来なかった



シリウスとスネイプは睨み合う
その顔には青筋が刻まれて、深い怒りと憎悪が溢れ出していた






(…………)




これ以上は埒があかないと思い、声を上げた

「スネイプ先生、彼らの話を聞きませんか?」
「黙れマリエレンダ」
「2人の話は聞く価値があると思います
確かに部外者の私が言うのも何ですが、疑問点もいくつかあるので…」
「小娘が何を偉そうに…」
「だからと言って、無実の人をアズカバンに入れるなんて出来るわけが…!」
「黙れ小娘!」
「っ」

スネイプが突然何かに取り憑かれたように声を荒らげる
シリウスの時とは違って、その目は完全に狂気に憑かれた人間のものになっていた


「忌々しいコールめ!お前は一体何をした!
優しさなどという生ぬるいものを振りまき!期待させ!挙句には裏切った!」
「セブルス、よせ!」
「お前は奴らの味方をした!
私に希望を抱かせ、最後には見捨てたのだ!!
哀れな小娘め!お前は関わってはいけなかった!!」




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