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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第30章 銀の花の闇




「大昔、この地球には『恐竜』と呼ばれるものがいたとされています
マグルはこれを、化石や地中を調べる事によって、実在を示したのです」


目の前ではマグル学が行われている
マグル学とはその名の通り、マグルの事を勉強するのだ

ヴィオラは、麗乃としての記憶があるので、マグル学はとても優秀だった
麗乃の時は、歴史が好きだったから


でも、今日はなんだか集中出来ない



『片割れを見つけなきゃ、お前は死ぬ事になるぞ』



ルブリスの言葉が頭の中で何度も響く

どういう意味なのか全く分からないこの言葉は、耳に張り付いて離れない

ルブリスは人をからかうのが好きな、面倒なゴーストもどきだが、嘘をついたことはない
嘘はつかないが、真実を話さない
ヴィオラに聞かれた事には大抵答えてくれるが、答えたくない事にはいつもはぐらかしてくる

「…………………」




『死との制約からは逃れられないぞ』




あぁ、まただ

思い出したくもないのに、勝手に頭に響いてくる



(そもそも、魂が片方ないってなんなの?)

問題はここだ

これを理解しなければ、ルブリスの言葉は分からないまま


一応気になったので、「死との制約」というのを本で調べたが、何も出てこなかった

「死」とは3つの秘宝を生み出したとされる存在
ならばその「死」の事なのだろうか?
制約と言われるのなら、誰かと契約したということ


(んもう、分かんないよ…)


頭が痛い


これ以上は破裂する。
絶対爆発する。
何がなんでもおかしくなる。




(神様、神様)



心の中で彼女の名前を呼ぶ
神様ならば、何か助言をくれるのではないかと思ったからだ


……………………………


反応がない

神様は答えてくれなかった



あれからルブリスも現れない

吹っ飛ばした事に怒っているのだろう
悪いことをしてしまった



(こんなに不安なのに、誰にも相談できない……)


改めて、自分がルブリスにどれだけ甘えていたのかを思い知った

誰にも話せず、自分だけで抱え込んで
でも、神様やルブリスがいて
自分だけの友達がいるような感覚で、ずっと頼りにしていたのだ





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