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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第29章 悲しい偽り




『お前はよくため息をついて何かを考え込んでるよな?』

「ルブに関係ないでしょー?」

『愛称呼びに慣れたようだな』

「呼べって強制されたからねっ」

『ははは』

この件に関しては思い出したくもないのであえて何も教えないでおこう




『そんで?何を思い詰めてる?』

「言ったところで解決しない…」

『いいじゃねぇか、教えろよ
お前の悩みは知っておいた方が面白そうだ』

「なぁにそれ?」


もう、呆れるのなんの

ルブリスのこの調子には本当に驚かされるばかりだ

おまけに、肉体を一時的に取り戻せるなんてチートかよ。






『どうせ、あの赤毛坊やの飼ってるネズミのことだろ』

「へぇ?」

突然、ルブリスがワームテールについて話した

あまりにも唐突だったので、間抜けな声を出してしまった
だがルブリスは笑わない


『あの、動物もどきに関係してるんだろ?
お前この先を知ってるもんなぁ』

「な、な」

『転生者、って言うんだろ?お前』

「知ってたの!?」

『知ってたも何も、お前変な魂持ってるじゃないか』

「はい?」

『だーかーらー、お前の魂は片方がないの!真っ二つになって一つしかない状態なの!』

ルブリスは通じないことにイライラしたのか、興奮気味に叫んでくる
普段なら「うるさい」と言っているところだが、そんな事は気にしてられない

魂が片方しかないとはどういうことか


『長年さまよってきたが、お前みたいな人間は初めて見た』

「どういう……」

『お前は非常に不安定な存在だ
とても消えそうで、今にも死に直面してる、危うい魂』

訳の分からないことを話し続けるルブリス

初めて会った時からそうだが、彼の話は理解しにくい事ばかり
だから今回も「ふざけたこと言わないで」と言う


「ふざけたこ……」

『「ふざけたこと言うな」だろ?
だが、本当にふざけたことか?』

「何を……」

『お前には生も死もない
生きているようで、死んでいるようで、どちらでもない不完全な存在
なぜなら、お前の魂は片方がない
何らかの原因により、2つに分裂してもう1つがなくなってしまったから』





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