• テキストサイズ

【文アル×FGO】誰ですか、図書館に賢王様を呼んだのは?

第1章 多忙な日々


特務司書。文豪と共に文学を守る。
マスター。英霊と共に人理を守る。
どちらも多忙極まりない仕事だ。だからこの二つの仕事を兼任している私は、毎日が殺人的な忙しさだ。
それでも、食事や睡眠、休息は文豪や英霊が気遣ってくれるので、健康的な生活ではある。ただ、休日が無いだけで。
そして最近は、カルデアが落ち着いてきたということもあり、私は特務司書の仕事に専念していた。
というのも、近代文学だけでなく現代文学まで侵蝕されるという大変な事が起こったのだ。こんな事は今まで一度も起きたことが無いらしく、私だけでなくアカやアオ、館長までもが殺人的忙しさに見舞われている。毎日何回も政府から電話がかかって来る。目まぐるしく情報が更新されてゆく。
(も、もう無理……)
いくら食事や睡眠に配慮されていても、これだけ目まぐるしければ疲れてしまう。ふらりと足をもつれされたその時、誰かに支えられた。
「横光……」
「大丈夫か。余程疲れているのだろう。今日は早く休むといい」
ありがとう、と言おうとしたその時、横光がつと背後を振り返った。
「どうかした?」
「いや……川端のような気配がしたような……」
言葉を濁す利一に私は「気のせいじゃないかな」と首を傾げた。川端は今、補修室で休んでいるはずだ。
「そうだな……手前もきっと疲れているのだろう」
「今日はお互いに早く寝ようか」
そんな会話をしていると、
「うわあ──────!」
耳をつんざくような凄まじい叫び声がした。
「今のは!?」
「有魂書の部屋からだ!」
私と横光は全速力で有魂書の部屋へと向かった。部屋の前まで来ていざ扉を開けようとしたその時、
「花袋!?」
転げ出るように飛び出してきたのは花袋だった。確か彼には有魂書への潜書を頼んでいたはずだ。勢い余って壁にぶつかり、頭を抑えて床にうずくまる。
「ねえ何があったの!?」
花袋の前にしゃがみこみ問い詰める私に、「不審者だよ!」と花袋は叫ぶ様に言った。頭を抑えていた手を外すと、一気に捲したてる。
「なあ司書、やっぱやべえってこの図書館! 最近現代文学にまで侵蝕が進んでたろ、ゼッテー関係あるってこれ!」
花袋は部屋の中を指さした。
「王をこれ呼ばわりとは──躾がなっていないではないか、雑種」
/ 14ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp