第2章 きっかけは勘違い(後編)
『西川くんって年末どうするの、実家で農作業?』
『俺か? 俺はなぁ……』
大晦日、時計の針は頂上に近づきつつある。
「そろそろ年越しか」
私は実家に帰って家のコタツで親とテレビを見ていた。
農家の子達は手伝いがあるから帰るのが憂鬱って言ってたけど、うちは農家じゃないからゴロゴロできていいなぁ。
「年明けたら学校か、宿題終わらせとかないと……」
農作業がない分宿題を写させてとみんなから釘を刺されてた。私だってそんなに勉強得意じゃないのに……チラリと携帯を見るが、まだ誰からもメールは来てない。
「そろそろだぞ、3、2、1……あけましておめでとう」
「おめでとー」
「おめでとう。、この後どうするの?」
とりあえずコタツの真ん中に向かって家族みんなで深々とおじぎをした。
特に見たいテレビもないし、寝ちゃおうかなぁ。
「そうだね、明日に備えて寝ようか……わっ!」
年明けと同時に携帯の振動が騒がしくしていたが、突然鳴り響いた音に思わず声が出た。
私の携帯は着信でしか音が鳴らないように設定してある。しかも表示された発信相手は西川くん。
「あ、で、電話だから、部屋戻る、ね」
慌てて携帯を掴むと自分の部屋へと走った。
扉を閉めてまだ鳴る携帯をジッと見つめる。間違いない、西川くんからだ。