• テキストサイズ

【YP】明日もきみは風になる。

第1章 春は出会いの季節です。




合宿そのものよりも、その後の補習のことが気がかりである。
けれど、未来の主将が「良い合宿に」と、そう言っておられるのだ。マネージャーがいつまでもグタグタは言っていられない。


「はい、主将!私も精一杯サポート頑張ります!」


「………?俺は主将じゃねぇけど…」


「未来の!主将!」


敬礼しながらそう言うと、今泉くんはフッと表情を柔らかくする。


「そうだな。俺もそのつもりでいる。」


「おおお…頼もしい…!」


堂々とそう言う今泉くんに感動していると、目の前の彼は急に私から視線を外し、彷徨わせ始める。


「それとよ…」


「うん?」


「見たぞ、借りたやつ。」


「ええええ!!!魔法少女マミ☆マミ?!?!」


「バッ……バカ!声でけぇよ!!!」


廊下を行きすがる生徒達が私の大声に驚き、こちらの様子を窺っている。
苦笑を浮かべてやり過ごすしかなかった。


「ご、ごめん、今泉くん…」


「別にいいけどよ…」


「それで………ど、どうでした?」


運命の審判を待つような気持ちで彼の返事を待つ。


「ああ…すげえな、魔法少女とか言うのにあんなダークな内容だとはなかなか思わねぇよな。その…」


「?」


「なかなか面白かったぜ。」


「!!!!!」

/ 107ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp