第17章 灯籠
私は目を覚ました。
…目を覚ました?おかしい。そんなはずは…。ここはどこだ。…椅子?何で私は椅子に座って、寝ていたんでしょうか?
とたんに目を開けたものだから、眩しさに目が眩む。…?眩しい?
空をみれば太陽がありました。
「おーい、霧雨」
「…!?」
「な~んだ、日向ぼっこか?気持ちいいよなぁここ。穴場スポットだ!」
その人物に目を見張る。
私は何となくこの状況を察した。
「……はい。眠っていました。」
「そーだろそーだろ。ここはよく眠れる、ド派手にな!」
今、目の前にいる彼には目があり、腕がある。それだけで私は…。
「…そろそろ戻りますね。」
「あ?そうか。俺は眠ろうか…な……」
宇随くんが言葉を止める。私は立ち上がった。
「な、なぁ、待てよ、あんた…もしかして」
彼はハッとしたように私に手を伸ばした。
その手が届く前に彼を振り返った。
「………ようやく、意見が合いましたね…宇随くん」
唖然とする彼を置いて、私は歩き出した。
(…さぁ、戻ってきて)
心の中ではあの子を呼ぶ。
(この時代の、私……。)