第7章 満たされない心、届かない想い、消えてくれない恋心。
を牢から出して、訓練に参加させなければならない。
果たしてそううまくことが運ぶのか。
俺に切りかかってきた奴だ。
用心しなければならない。
「…めんどくせぇな」
朝でも昼でも薄暗い地下牢の階段は、歩くたびにとてもよく響く。
ん?
話声がする。
昨日地下牢にいたのはだけだった。
朝投獄されたのであれば俺に報告があるはずだ。
それがなかったということは誰かが話しに来ている、ということか。
「調査兵団はいつもそんなことやってんのか…」
「あぁ。私は他の仕事があって見に行けないが、頑張ってくれ。地下街で見たときの立体起動や対人格闘は素晴らしかった。どこでそれを習ったんだ?」
エルヴィンか?
いや、それはないだろう…
あいつは執務室にいるはずだ。
だが、声がよく似ている。
「近所のじじいに習ったんだ」
「近所の?」
「あぁ」
エルヴィンだ。
絶対にエルヴィンだ。
薄暗い階段を降り切った。
「おい、何故お前がここにいる?エルヴィン」
「少し話したいことがあってね。話していたら会話が広がっていってしまってね。すまない。執務に戻らせてもらうよ。また話そう、」
「あぁ」
「おい。といったな。もう少ししたら飯の後、訓練がある。お前は俺が相手してやる。とりあえずここから出ろ」
「…はい」
俺が相手だと言った途端、不服そうな顔をしやがった。
「俺が相手では不満か?」
「いえ」
「チッ…」
思わず舌打ちをしてしまった。
エルヴィンと話していた時とは明らかに違い無表情で受け答えをするによくわからない負の感情が芽生えた。
はもう着替えを終えた様子だったため、そのまま食堂に向かった。
「リヴァイ兵長!珍しいですね!食堂でお食事ですか?」