第6章 生きる意味を~数年後の自分~
それは4年前、窃盗グループのリーダーをしていたというリヴァイが調査兵団に入団したと聞いたからだ。
3人組だったらしいが…
今、あいつらがどうしているかなんて知らない。
たくさんの仲間を持ち、窃盗団をしているオレには全く関係のないことだが、リヴァイは無事なのだろうか。
どこかに心配でたまらない自分がいた。
だが、そんなことを考えたところで、どうにもならない。
まぁ、かんがえるのは自分の勝手だから―
「!!聞いてるの⁉」
「え?あ、あぁ。聞いてる」
「嘘つけ!顔に書いてあった!聞いてないってね。まったくもう…今日の仕事、いつものところよ。もうすぐ荷台が来るらしいわ」
「わかった。今から準備をする」
立体起動装置の異常がないか確かめ、ベルトを締めて装備する。
ベルトのきつさにはもう慣れた。
レスタはいつまでたっても違和感があると言うが…
ベルトを締め、装備が完了した。
「よし、行くぞレスタ」
「オーケー」
外に出るとアンカーを壁にさし、ガスを吹かせ、置いてある荷台に向かって飛ぶ。
「…突っ込むぞ、レスタ。備えろ」
「わかったわ。さん…に…いち‼」
レスタのカウントとともに突っ込んだ。
ガァン!
ガラガラガラ!
「うわぁ!」
「チッ…またあいつらか…誰か憲兵団を呼べ!」
「よし。これでいいんだな?あとは…憲兵団か」
「もう来てるわよ」
憲兵団はこんなところまで手が回るんだなぁ。
地下街なんて無法地帯とさほど変わりないのに…
よくもまぁ飽きずに優秀な兵士を送り込んでくるな…
…ん?今日はやけに動きがいいな。
憲兵団の中でも、エリート中のエリートか?
…いや待て。
こいつら、いつもの馬のマークじゃねぇ。
翼だ。
ということは…調査兵団か?
なんでこんなところに…!
「レスタっ!こいつら憲兵団じゃねぇ!調査兵団だ!」
「えぇ⁉」
「本気で撒け!捕まるぞ!」
パシュッ!
チッ…こんな時に限ってガスがねぇ…
このままでは、対人戦になる。
「レスタ!」
「はーい!捕まらないでよね!」
合図で二手に分かれる。
レスタは調査兵三匹連れて曲がっていった。
オレは今ガスがねぇ。
できるだけ複雑なルートを通って数匹撒いた後、対人戦だな…
記憶をたどり、撒くためのルートを決めていく。