第4章 もう、離さない
は…?
俺に会いたかった?
お前が俺から離れていったくせに。
俺を捨てたくせに。
俺を、置いて行ったくせに―
「嘘を吐け。お前、俺のことおいてどこか行っちまったじゃねぇか。何がいまさら"会いたかった"だ。うそをつくならもっとましな嘘をつけよ」
俺の心の底から溢れ出してきた怒りや寂しさをすべて押さえつけて、余裕のあるツラで言ってやった。
だが、は真剣な顔で言いやがった。
「本当だ!嘘なんかつくか!…おいて行ったのは、会いに来なかったのは悪かったと、本当に悪いことをしたと思ってる。それを責められても、仕方ないってわかってる…わかってるんだ」
そこまで言うとはうつむいて、黙り込んでしまった。
俺が口を開こうとしたとき、バッと顔を上げては言った。
「自分勝手なことをしたと思ってる。だが、あの時のオレはお前の化け物を見るような目に耐えられるほど大人じゃなかったから…でも、お前に会いたかったという気持ちは嘘じゃねぇ…それにリヴァイが生きていてくれて、本当に良かった…」
の言った言葉に、抑えきれなかった俺の怒りが溢れ出して、俺は止まらなくなって、押し寄せた。
「あぁ?わかってねぇだろ。あの頃は大分世話になったと思っているが…」
俺はずっと抑え込んで隠していた気持ちを止めることなく続けて言った。
「お前に置いて行かれた俺の気持ちが分かるか?わからねぇだろ?あぁ、捨てられたんだってわかった。お前の俺に対しての気持ちはそんなもんだったってことだ」
「ちがう…違うんだ…。リヴァイ、オレは…」
「この期に及んで何を言い訳するつもりだ?」
「ごめん…リヴァイ…悪かった。もう、許さなくていいから、もう会わないって約束するから…あの時の、純粋だった、お前の笑顔を見せてくれよ…それでもう、あきらめる…」
「あ?」
こいつは何を言い出すんだ?
俺と二度と会わない?意味が分からねぇ…
「俺は二度と会わないでくれなんて頼んだ覚えはない」
「じゃあどうすればいいんだよ。どうすれば笑ってくれる?どうすればいい?」
「そんなもん簡単だ。ただ…おとなしくしていてくれればそれでいい」
「…は?」