第3章 それぞれの生き方。
「リヴァイ…」
自分の寝言で目が覚めた。
オレは、自分から手放したような幸せをまだ想っているのだろうか。
自分で壊してしまったような幸せを。
あの日の衝動は今でも鮮明に思い出す。
今思うとあれは激しい怒りの延長線だったのかもしれない。
弟を売って殺してしまった蛇を見つけた時もそうだった。
きっとリヴァイを弟に重ねていたのだ。
いい迷惑だったかもしれない。
だが、リヴァイと過ごした一年間はとても楽しかった。
オレはベッドから起き上がると、基地の机の上にあった便せんに文字を書いた。
そして、用意していた小箱に今書いた便箋といつの日かレスタにもらったしずく型の石を一つ入れてポケットにしまった。
そしてあの場所へ行くことを決めた。
決心がついた。
基地を出て、あの場所へ向かった。
ここから大分離れているあの場所は今もあるのだろうか。
リヴァイとはあの日から会っていない。
生きているかどうかも分からない。
でも、生きていてほしいと、願っている。
昔のように、笑いあえる日が来なくても。
一緒にいられなくなっても。
二度と会えなくなっても。
生きていてくれるのなら、それでいい。
そう思っていた。
あの時までは――